ゴルフのスイングにおいて、「グリップ」はすべてのスタート地点です。その中でも特に重要なのが“左手の握り方”。右利きの場合、左手がクラブと身体をつなぐ「土台」となるため、ここがズレてしまうと、どんなに良いフォームでもショットが不安定になってしまいます。
「握り方ってそんなに変わるの?」「スイング練習ばかりしてたけど、グリップってそこまで意識したことなかった」——そんな方にこそぜひ読んでほしいのが、今回の内容です。
左手のグリップを見直すだけで、飛距離が伸びたり、スライスが減ったり、方向性がグッと安定したりと、プレー全体が変わってくることも珍しくありません。初心者でもベテランでも、グリップが崩れればスイングは崩れる。それくらい影響が大きいのが、左手の握り方なのです。
今回は、ゴルフクラブの正しい持ち方を知りたい方、ショットの精度を高めたい方に向けて、「左手」の握り方にフォーカスして詳しく解説します。
- 左手グリップは指で握り、手首の自由度を確保する
- 握り方のタイプ(ウィーク・スクエア・ストロング)で球筋が変わる
- オーバーラッピングやインターロッキングなど自分に合う握り方を選ぶ
- 左手が安定するとフェースの向きがブレにくくなる
左手グリップの基本を知ろう!安定したスイングはここから始まる

左手の握り方のポイントとは?親指・人差し指・中指の正しい使い方
左手でクラブを握るときの最大のポイントは「指で握ること」です。手のひら全体でベタっと握ってしまうと、クラブがスイング中に動きやすくなり、フェースの向きやヘッドの軌道が乱れてしまいます。
理想的なのは、クラブを左手の指で斜めに握り、親指をシャフトに軽く添えるようにすること。このとき、親指と人差し指で「Vの字」ができているかを確認してみてください。このV字が右肩を指すようにすると、フェースがスクエアな状態をキープしやすくなります。
中指・薬指・小指の3本でしっかりとホールドしつつ、手首を柔軟に使える余白を残すことが、クラブとの一体感を生み出す鍵になります。逆に、親指に力を入れすぎるとスイング時に力みが生まれやすく、スムーズな動作を妨げる原因に。
手のひらではなく指で握る!クラブとの一体感を生む握り方のコツ
ゴルフ初心者によくあるのが「グリップが手のひらの中心に来てしまっている」パターン。これは、一見しっかり握れているように感じますが、実は手首の動きを制限してしまい、スイングのパワーやヘッドスピードを抑えてしまう原因になります。
グリップは指の付け根あたりを通すように斜めに持ち、手のひらで「包む」のではなく、指先で「支える」感覚を意識するのがポイント。この握り方に変えるだけで、クラブの重みを感じやすくなり、スイング全体に自然なリズムが生まれます。
特にスイング時のインパクトでは、手首が柔らかく使えることでフェースがスクエアに戻りやすくなり、方向性が安定します。逆に、手のひらでガッチリ握ってしまうと、スイング中に手首が固まり、ボールが右や左へ暴れてしまう原因に。
「もっと飛ばしたい」「ショットの軌道を安定させたい」と感じている人は、まずはこの“指で握る”という感覚を身につけるだけでも効果が大きいです。
グリップのズレがスライスを呼ぶ?握り方の違いが球筋に与える影響とは
ウィーク・スクエア・ストロング…左手の向きでショットはどう変わる?
左手の握り方には、大きく分けて「ウィークグリップ」「スクエアグリップ」「ストロンググリップ」の3タイプがあります。これはグリップしたときに、左手の甲やナックルの見え方、親指の向きによって分類されるもので、それぞれショットへの影響が大きく変わります。
ウィークグリップは、左手のナックルが1つしか見えないような状態で、クラブフェースが開きやすく、スライスしやすくなるのが特徴です。反対に、ストロンググリップはナックルが3つほど見える状態で、フェースが閉じやすくフックが出やすい傾向にあります。
標準的で最も安定するとされるのがスクエアグリップで、ナックルが2つ見える程度の握り方が目安とされています。この握り方だと、自然なフェースターンができ、方向性や飛距離のバランスも取りやすくなります。
自分の球筋の傾向に応じて、グリップを微調整することで、ミスショットの原因を修正できる可能性があります。グリップの強さ=握る力ではなく、「手の位置と角度」のこと。そこを間違えないように意識するだけで、スイングが一気に変わることもあります。
オーバーラッピングとインターロッキングの違いと左手の安定感への影響
両手の組み合わせ方にも種類があり、特にオーバーラッピングとインターロッキングは多くのゴルファーに使われている基本的なスタイルです。どちらが正解というわけではなく、自分の手のサイズや感覚に合った方を選ぶのがベストです。
オーバーラッピングは、右手の小指を左手の人差し指の上に重ねる形で、クラブとの一体感が得られやすく、特に手が大きい人に向いています。左手の安定感が高まり、力みも出にくいと感じる人が多いです。
インターロッキングは、小指と人差し指を絡めるスタイルで、手の小さい人や女性に多く採用されています。クラブを「手全体」で包む感覚が得られるため、手首がブレやすい人にもおすすめです。
グリップを変えるだけでスイング全体が変わるというのは本当で、左手の安定感が増すと、クラブがスムーズに振り抜けるようになります。どちらの握り方でも、最終的には「左手がブレないこと」が重要です。
フェースの向きを安定させる左手グリップの意識とは?
スイングでミスショットが出る原因として、クラブフェースの向きがインパクトの瞬間にブレてしまっているケースがとても多いです。中でも「フェースが開いたまま当たってしまう」ことで起こるスライスやトップは、左手のグリップと密接に関係しています。
フェースをスクエアに戻すためには、左手が“支点”として安定している必要があります。左手がクラブを支えきれていないと、スイング中にフェースが開閉してしまい、インパクトでズレが生じてしまうのです。
そのためには、左手の小指・薬指・中指の3本でクラブをしっかりと“つかむ”感覚を持ち、親指は上から“添える”だけにすること。この「握る」と「添える」のバランスが取れると、フェースの開閉が抑えられ、常に同じフェース向きでインパクトを迎えやすくなります。
また、左手首がスイング中に「甲側に折れる(カッピング)」癖があると、フェースは開きやすくなります。これも左手グリップの位置や角度がズレている証拠。左手甲が「平ら」な状態をキープできていれば、自然とフェースもスクエアな向きに保たれやすくなります。
女性や手の小さい人が気をつけたい左手グリップのポイント
女性ゴルファーや手の小さい人が、一般的な握り方をそのまま真似しようとすると、どうしてもクラブとのフィット感に違和感を感じやすくなります。特に左手のグリップは、「握る位置」「圧のかけ方」「手首の柔軟性」がうまくハマらないことで、力の伝わり方に差が出てしまうのです。
まず意識したいのが、クラブの太さ。自分の手に合わない太さだと、しっかり握ろうとして余計な力が入り、スイングが硬くなります。細めのグリップやレディース用クラブを選ぶことで、指中心の握りがしやすくなり、余計な力みも軽減されます。
また、指が短いと「インターロッキンググリップ」がしっくりこないこともあるため、無理に合わせるのではなく、「テンフィンガー」や「ゆるやかなオーバーラッピング」に調整するのも有効です。自分の手のサイズに合わせたグリップの工夫が、結果的にスイングの安定につながります。
手が小さい人ほど、握り方に工夫が必要だからこそ、道具選びやグリップの“微調整”が大切。グローブの厚みも含め、実際に握って確認しながら調整していくのが上達の近道です。
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左手のグリップを見直すだけでゴルフはもっと変わる
ゴルフは繊細なスポーツ。フォームやスイングを変えるのは難しくても、グリップ、特に左手の持ち方を少し見直すだけで、劇的にプレーが変わることは珍しくありません。
クラブと体の唯一の接点であるグリップは、シンプルだからこそおろそかにされがちですが、スイング全体のリズムやミスの傾向にも直結する非常に大事なパーツです。
今の自分のグリップが正しいのか不安な方は、ぜひ鏡でチェックしたり、レッスンで見てもらったりして、基本に立ち返ってみてください。手のひらで握っていないか?ナックルの見え方は適切か?指の感覚を意識しているか?小さな気づきが、大きな変化を生み出します。
クラブをどう振るかの前に、まずはどう握るか。そこからすべてが始まります。今日の練習では、ぜひ左手グリップの見直しから始めてみてください。それだけで、明日のゴルフがきっと変わります。
練習のときこそ意識してほしい、左手グリップの確認ポイント
普段の練習場での打ち込みでも、ただ球数をこなすだけではなく「左手の握り方」を意識するだけで、上達のスピードが大きく変わります。特にスイングにばかり目が行きがちな人は、実はグリップが原因でミスが出ていることも多いんです。
まず最初にチェックしてほしいのが「左手のナックルの見え方」。鏡やスマホで正面から構えを撮ってみて、自分の握り方がウィーク、スクエア、ストロングのどれに近いかを把握するだけでも、スイング修正のヒントになります。
次に「グリッププレッシャー」、つまり握る強さです。力んでいないか、逆に緩みすぎていないか。目安としては、クラブを地面に落とさず持てる最低限の力でOK。左手の薬指・中指・小指で支えつつ、親指と人差し指は柔らかく添える感覚が理想です。
さらに、ショットの前に一度クラブを地面につけてからグリップを作ると、毎回同じ形で握れるようになってきます。毎回感覚で握ってしまうと、調子の良し悪しでフォームが変わってしまいやすいので、ルーティン化するのがコツです。

左手グリップをマスターすれば、ミスの「原因」が「感覚」でわかるようになる
上達を実感していく過程で、最も大切なのは「なぜこの球が出たのか」が自分で理解できることです。その判断材料として、グリップ、特に左手の感覚はとても大きなヒントをくれます。
たとえば、スライスが出たときに「今日は調子が悪いな」で終わるのではなく、「左手の向きがウィークにズレてたかも」「親指に力入りすぎてたかも」と気づけるようになると、次のショットで自分で修正ができるようになります。
グリップを正しく覚えると、クラブがどこを向いているか、フェースがどう動いているかを、手の中で“感じ取れる”ようになります。これは、スイングやフォームを意識するよりもずっと早く、正確な修正につながる大きな武器になるんです。
また、アプローチやパターなど、力加減が重要なショットほどグリップの影響は大きくなります。強く握りすぎれば距離感が狂い、緩すぎればインパクトが不安定に。すべてのショットにおいて「左手のグリップ」がスイングの土台であることを忘れないようにしましょう。
自分の“最適な左手グリップ”を見つけて、ゴルフをもっと楽しく
正解のグリップというのは、実は一つではありません。基本はあるけれど、その中で自分の手の形、指の長さ、握力、クラブとの相性に合わせて“最適な形”を見つけることが大切です。
他人のフォームを真似するのも大事ですが、最終的には「自分が握ってしっくりくる」「打っていて気持ちいい」と思える握り方が一番の正解です。そのためにも、色々な握り方を試しながら、少しずつ理想の形に近づけていきましょう。
左手グリップが整ってくると、スイング中の不安がなくなり、「打てる気がする」という前向きな気持ちが自然に湧いてきます。メンタル面でも、左手の安定感は心強い味方になるのです。
グリップの見直しは地味に感じるかもしれません。でも、それがスコアを変え、気持ちを変え、ゴルフそのものをもっと楽しくしてくれます。さあ、次にクラブを握るときは、ぜひ“左手”から意識してみてください。あなたのゴルフが、きっとまた一歩前に進みます。
総括:左手グリップを見直すだけで、スイングが安定しゴルフが変わる
- グリップはクラブと体をつなぐ唯一の接点で、スイング全体の土台
- 左手の3本指(中指・薬指・小指)で支え、親指は軽く添えるだけが理想
- ウィーク・スクエア・ストロングの握り方で、球筋や弾道に影響が出る
- 手のサイズや感覚に合わせてグリップスタイルを選ぶことが大切
- フェース向きのブレは左手グリップの安定性と深く関係している
- 女性や手の小さい人はグリップ太さや握り方に工夫が必要
- 練習中もグリップを毎回確認し、ルーティン化すると安定感が向上
- 正しいグリップは“感覚”としてスイング中のズレを自分で察知できる力をくれる