ゴルフのラウンド中、ラフからのショットで思った以上にボールが飛んでしまい、グリーンを大きくオーバーしてしまった経験はありませんか。
「ナイスショットだと思ったのに奥のOBまで行ってしまった」という場合、それは「フライヤー」という現象が起きている可能性があります。
ゴルフフライヤーとは、インパクトの瞬間にボールとクラブフェースの間に芝が挟まることで、バックスピン量が極端に減って飛距離が伸びてしまう現象のことです。
特に夏場の元気なラフや、ヘッドスピードの速いゴルファーに多く見られる現象で、スコアメイクを邪魔する厄介な存在です。
この現象の仕組みと対策を知っておくことで、ラフからの大怪我を防ぎ、賢くコースを攻略することができるようになります。
今回は、フライヤーが発生する原因や条件、そして現場で役立つ具体的な対処法について詳しく解説します。
- フライヤーはラフからのショットでスピンが減り飛距離が伸びる現象
- ヘッドスピードが速い人やミドルアイアンで発生しやすい
- グリーン奥が危険な場面では番手を下げるなどの対策が必要
- 逆の現象であるドロップとの違いを見極める目が重要になる
フライヤーが発生するメカニズムと起こりやすい状況
image : golf-item-box- フライヤーとはラフから打ったボールが飛びすぎてしまう現象
- フェースとボールの間に芝が挟まることでバックスピンが減る
- ヘッドスピードが速いゴルファーほど発生しやすい理由
- 夏場の元気な芝や順目の深いラフは特に警戒が必要
- ショートアイアンよりもミドルアイアン以上で起こりやすい
- フライヤーと逆に距離が落ちるドロップ現象との違い
- プロでも予測が難しいフライヤーのコントロール
フライヤーとはラフから打ったボールが飛びすぎてしまう現象
フライヤーとは、主にラフなどの芝が深い場所からショットした際に、想定よりもボールが高く上がり、かつ遠くへ飛んでしまう現象を指します。
通常、ラフからのショットは芝の抵抗で飛距離が落ちると思われがちですが、条件が揃うと逆に飛びすぎてしまうのです。
まるでボールが飛行機(フライヤー)のように空を飛んでいくことからこの名前がついたとも言われています。
特にピンまでの距離がしっかりと残っている場面で発生しやすく、計算外のオーバーはスコアに大きなダメージを与えます。
フェースとボールの間に芝が挟まることでバックスピンが減る
なぜラフから打つと飛距離が伸びるのか、その最大の原因は「スピン量の減少」にあります。
通常、アイアンショットはフェースの溝がボールに食いつくことでバックスピンがかかり、適度な高さと止まる弾道を生み出します。
しかし、ラフではインパクトの瞬間に芝(水分を含んだ草)がフェースとボールの間に挟まり、摩擦が減ってスピンがかからなくなるのです。
その結果、ボールは空気抵抗を受けにくい「棒球」のような無回転に近い状態で飛び出し、キャリーもランも伸びてしまいます。
ヘッドスピードが速いゴルファーほど発生しやすい理由
実は、フライヤーはすべてのアマチュアゴルファーに起こるわけではありません。
芝の抵抗に負けずに振り抜けるだけの「ヘッドスピード」がある程度速い人(ドライバーで40m/s以上が目安)に発生しやすい傾向があります。
パワーがない場合、芝の抵抗でヘッドスピードが落ちてしまい、フライヤーになる前にボールが飛ばないという結果になります。
そのため、上級者や力のある男性ゴルファーほど、ラフからのショットではフライヤーに対する警戒が必要です。
夏場の元気な芝や順目の深いラフは特に警戒が必要
季節や芝の状態もフライヤーの発生確率に大きく影響します。
水分を多く含んだ夏場の青々とした芝や、ボールが芝に沈んでいるけれどヘッドの抜けが良い「順目」のラフは要注意です。
このような状況では、ヘッドがスムーズに入りつつも、大量の芝がフェース面に挟まるため、強烈なフライヤーが起きやすくなります。
逆に冬場の枯れた芝や、芝の密度が薄い場所では、そこまで極端なフライヤーは起こりにくいと言えます。
ショートアイアンよりもミドルアイアン以上で起こりやすい
番手選びにおいてもフライヤーが発生しやすいクラブとそうでないクラブがあります。
ロフト角がある程度立っている7番アイアンから9番アイアンあたりが、最もフライヤーしやすいゾーンと言われています。
ロフトが寝ているウェッジ類は、ボールが上に上がりやすいため、前に飛ぶ力よりも上に逃げる力が強くなり、極端な飛距離アップにはなりにくいのです。
フライヤーと逆に距離が落ちるドロップ現象との違い
ラフからのショットには、フライヤーとは逆に、ボールがドロップして(急激に落下して)飛ばない現象もあります。
これはインパクトで芝の抵抗が強すぎてヘッドスピードが激減したり、フェースの上部に当たって当たり負けしたりする場合に起こります。
自分の力で振り抜けるラフなのか、それとも芝が強くて負けてしまうラフなのか、ライを見極める判断力が結果を分けます。
基本的には「ボールが浮いていればフライヤー」「深く沈んでいればドロップ」の可能性が高いと覚えておきましょう。
プロでも予測が難しいフライヤーのコントロール
テレビ中継を見ていると、プロゴルファーがラフからのショットでグリーンをオーバーして渋い顔をしているシーンを見かけます。
これは、世界トップレベルの技術を持つプロであっても、フライヤーがどれくらいかかるかを完全に計算するのは不可能だからです。
「フライヤーしそうだ」と予測して弱めに打ったら、意外とスピンがかかってショートした、ということも日常茶飯事です。
完璧にコントロールしようとするのではなく、「オーバーしても安全なエリア」を狙うといったリスク管理が求められます。
フライヤーを予測してスコアを守るための対策と打ち方
image : golf-item-box- ラフに入ったらまずは芝の状況とライを慎重に確認する
- 番手を下げて手前のエリアに着弾させるマネジメント
- グリーンの奥が危険な場合は絶対にフライヤーさせてはいけない
- インパクトで芝の抵抗に負けないためのグリップとスイング
- フライヤーを計算に入れてキャリーとランを予測する技術
- 雨の日や朝露で濡れたフェアウェイでも発生する可能性
- まとめ:フライヤーの知識を持ってラフからの攻略を楽しむ
ラフに入ったらまずは芝の状況とライを慎重に確認する
ボールがラフに入ってしまったら、漫然と打つのではなく、まずはライ(ボールの置かれた状況)を観察しましょう。
芝の長さ、密度、そして芝の生えている向き(順目か逆目か)を確認します。
ボールが半分くらい見えていて、クラブが振り抜けそうな状況であれば、フライヤーの確率が高いと判断できます。
この事前のチェックがあるかないかで、次のショットの精度と結果が大きく変わってきます。
番手を下げて手前のエリアに着弾させるマネジメント
フライヤーが予想される場合、最も簡単な対策は「番手を下げる」ことです。
通常なら8番アイアンの距離であっても、フライヤーで1番手以上飛ぶことを見越して、9番アイアンやピッチングウェッジを選択します。
「届かないかもしれない」という不安があるかもしれませんが、フライヤーすれば驚くほど飛びますし、仮にショートしても手前から攻められます。
ラフからのショットは「乗ればラッキー」と考え、ハザードを避けることを最優先にクラブを選びましょう。
グリーンの奥が危険な場合は絶対にフライヤーさせてはいけない
コースマネジメントにおいて、グリーンの奥にOBや深いバンカーがある場合は、絶対にオーバーさせてはいけません。
このような状況でラフから打つ場合は、フライヤーのリスクを完全に排除するために、刻む(手前にレイアップする)勇気も必要です。
グリーンを直接狙わずに、花道まで運んでアプローチ勝負に切り替える方が、大叩きを防ぐ賢い選択となります。
インパクトで芝の抵抗に負けないためのグリップとスイング
ラフからのショットでは、芝の抵抗でフェースが返ったり開いたりしやすくなります。
そのため、通常よりもグリップを短く、そして少し強めに握って、ヘッドのブレを抑えることが大切です。
スイングに関しては、鋭角に打ち込むと芝を多く噛んでしまうため、やや払い打つ(レベルブロー)イメージの方が芝の巻き込みを減らせる場合もあります。
ただし、これは状況によるため、まずは「しっかりと振り抜く」ことを意識し、緩んだインパクトにならないように注意しましょう。
フライヤーを計算に入れてキャリーとランを予測する技術
フライヤーしたボールはバックスピンが少ないため、グリーンに着弾してからも止まらずに転がります(ランが出る)。
そのため、キャリー(飛んでいく距離)だけでなく、着弾後のランも計算に入れて狙い場所を決める必要があります。
通常ならピンデッド(ピンの根元)を狙う場面でも、フライヤーする場合はグリーンの手前エッジに着弾させるイメージでちょうど良くなります。
雨の日や朝露で濡れたフェアウェイでも発生する可能性
フライヤーはラフだけで起こる現象だと思われがちですが、実はフェアウェイでも発生することがあります。
雨の日や朝早い時間の朝露でボールや芝が濡れていると、水が潤滑油の役割を果たし、スピンがかかりにくくなるからです。
これを「ウェットフライヤー」と呼ぶこともあり、綺麗なライから打ったのに止まらずにオーバーした、という現象の原因になります。
水気の多いコンディションでは、ラフでなくてもフライヤーを警戒し、少し手前から攻める意識を持つと良いでしょう。
まとめ:フライヤーの知識を持ってラフからの攻略を楽しむ
- ゴルフフライヤーとはラフで芝が挟まりスピンが減って飛びすぎる現象
- ヘッドスピードが速い人やミドルアイアンを使う時は特に注意が必要
- フライヤーは着弾してからもボールが止まらずランが多く出る
- 状況に応じて1番手下げたり手前を狙ったりするマネジメントが有効
- グリーン奥が危険な場合は無理せず刻む勇気がスコアを守る
- 雨天時はフェアウェイからでもフライヤーに似た現象が起きる


